5-自由:意志、自律性
意志の自律性と自由
自由の概念は、カントの哲学における中心的な規範的 外力による制約からの選択と行動の自由だけでなく、自分自身の単なる傾向からも、人間にとっては不可能な傾向の排除によってではなく、理性の支配への傾きの服従と普遍化の要求によって達成することができるものであり、カントは最終的に”自治”、”それがそれ自身に対する法律である意志の性質”(G4:440)と呼んでいる(4:440)。435-6)。 意志の自由とは、単なる自然の法則による決定とは無関係に自発的に行動を開始する能力であり、すべての人間の代理人が彼女の過去の歴史によって予測されているように見えるかもしれないものにかかわらず、道徳的法律に従って行動する能力を有するように、カントにとっては理論哲学における論理的可能性に過ぎず、純粋な実践的理由の避けられない仮定、”道徳的法律の完全な履行の必要条件”(実践5:132)である。 カントにとって、これら二つの概念の間の関係、私たちの究極の価値としての自律性、そして私たちの究極の形而上学的財産としての意志の自由は、実用的な理由でのみ主張できるものの、控えめに言っても親密であり、行動の自由を維持し促進することを何よりも私たちに命じている無条件の道徳的法則は、”純粋な実用的な理由の自己意識に過ぎず、これは自由の肯定的な概念と同一である”(5:29)–このアイデンティティをどうするべきかについての彼の見解は安定していない。